ヒメシャクナゲの育て方
1 はじめに
ヒメシャクナゲ(Andromeda polifolia)は丈の低いツツジ科(Ericaceae)の多年生の木本植物で、本州中部以北の高層湿原などの湿地に自生しています。
自生地では5月下旬から7月にかけて、ピンク色をした壺型の花を下向きに数輪咲かせます。
まれに白色花、濃紅色花があります。
最近ではホームセンターなどで選抜品種の挿木苗が安価に売られるようになってきました。
ヒメシャクナゲは栽培が楽な上、自生地よりも栽培株がより多くの花を付けますので、山野草栽培の入門種と言えるでしょう。
2 栽培
◎ 置き場(栽培する場所)
置き場は、風通しが良く、終日よく日の当たる棚の上などがよいでしょう。
冬は乾燥した寒風の当たらない場所で管理します。
◎ 植木鉢
乾きにくいものがよく、株の大きさに応じて選んでください。
小株の養成でしたら4号(直径12cm)程度の大きさ、大株でしたら中深鉢や浅鉢に植えてもよいでしょう。
◎ 培養土
ヒメシャクナゲは水分を好みますので、一般的にはミズゴケ単用とします。
◎ 植え付け
ヒメシャクナゲは地下部から短い地下茎を出して株立ちになっていきます。
しかし、古茎からは良い芽が出にくく、放置しておきますとすぐに老化してしまいます。
そこで、できるだけ若い株を植え付けます。
入手した株は、花後に茎を2〜3p残して切断した後、鉢から抜いて根を1/3程度切りつめ、全ての培養土や古ミズゴケなどを取り除いてから、全く新しいミズゴケで固めに植え付けます。
切り取った茎はミズゴケで巻いて挿木増殖に用います。
植え替え・挿木後は忘れずにたっぷりと灌水してから棚に出してください。
◎ 水やり
ヒメシャクナゲは水が大好きで、水のやりすぎで枯らすことは少ないのですが、過度の腰水などにより根腐をおこすこともありますので注意が必要です。
冬の休眠期でも、水切れさせないように注意しましょう。
◎ 殖やし方
ヒメシャクナゲは主に挿木で増殖します。
花後の切りつめ・植え替えと同時にミズゴケに挿せば簡単に増やせます。
3 入手方法
ヒメシャクナゲの入手は比較的容易です。
山野草の専門店ばかりでなく、デパートやホームセンターなどでよく売られています。
4 鑑賞方法
ヒメシャクナゲは同一の個体を群植させてその清楚で気品のある花色を鑑賞の対象とします。
従って、平鉢が似合うのですが、一朝一夕には増えませんから、2〜3年増殖してから挑戦してみましょう。 |
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