フラボンの山野草と高山植物の世界 == 山野草の栽培方法 == by フラボン

フラボンのインターネット山野草講座 入門編

   山野艸の世界

1 はじめに
みなさんは「山野草の世界」を垣間見たことがありますか?
何人かの方は、「なーんだ、そんなモノ。もういくつも栽培しているよ。」と思われたことと思います。

でも、それだけで本当に「山野草の世界」を体験したといえるのでしょうか。
実は、この世界は奥が深く、扉を1枚開ける度に新たな扉がいくつも見えてくる、複雑怪奇で魅力あふれる世界なのです。

これから、この世界の一端をご紹介いたします。

2 山野草入門
そもそも「山野草」とは何を指し、どのような定義があるのでしょうか?
実は何の定義もない、ともいえる代物なのです。

一般には「野生植物で観賞価値があり、ある程度の耐寒性を持つもの。」的に認識されることが多く、人の考え方や興味の方向により様々なものがあり、これにあてはまらないものはいくらでもあります。

そのような理屈はどうでもよいですから、とにかく最初の扉をたたいてみましょう。
まず入門者がやることは、多くの種類を集めることと相場が決まっています。

とにかく、見るもの見るもの興味をそそられ買い求めていく人が多いようです。
しかし、この段階ではまだ何も理解していないという状況ではないかと思います。

そこで、みなさんには「山野草の世界」にはどのような国があるかを知っていただきたいと思います。

3 山野草の世界
(1) 栽培王国
栽培することを中心とする巨大な連合王国を形成しています。

1) なんでも王国
ただひたすら、興味の向くまま手当たり次第に買い集めて楽しむ人々の国で、入門者の多くはこの国に迷い込むようです。
この国で多くの修行を積むことにより、他国への出国が可能となります。

2)専門王国群
なんでも王国からの移住者が多いのですが、まれに生粋の原住民もいるようです。
あまりにも多くの小国から形成されていますので、その一部を示します。

@ラン王国
ただひたすらランを集める人々が住人となり、エビネ自治州、長生ラン省、小町ラン州、ウチョウラン自治州等から構成されています。

A雪割草国
ミスミソウやスハマソウに忠誠を誓う人々の国です。

Bサクラソウ国
野生のサクラソウ類を集めて楽しむ人々が住んでおり、ニホンサクラソウ自治領や山岳(高山性サクラソウ)の少数民族などが存在しています。

C斑入り植物狂和国
とにかく斑入り植物がなければ生きていけない人々が集う国で、自治体によっては途方もなく高い住民税を払わなければならない危険性をはらんでいます。

しかし、麻薬と同様の効果があるらしく、一度足を踏み入れたが最後中毒症状から抜け出せなくなる人もいるようです。

D白花公国
突然変異で生じた白い花を追い求める人々の国です。
他の国々の住人の中には、この国との二重国籍者が多く潜んでいます。

E種播き十字軍
国と言うよりは、様々な国から志願してきた人々が結成した軍団で、なんでもかんでも種子から育てて楽しむことを唯一の軍律としています。

各国にスパイを送り込み、洗脳を図っているとの噂もあります。
アメリカやイギリスなどの国々にもネットワークを広げ、種子交換を行うなど、病気持ちの上級者が多いのも特徴とされています。

(2) フラワーウオッチング王国
野山や植物園、展示会などに出向いて自分の足で歩き、目で見て楽しむことを中心にする人々の国です。
毎週のように野山をさまよったり、世界中を渡り歩いたりするなどの症状を示す住人もいるようです。

@写真・スケッチ自治領
山野草の姿を写真スケッチに描き留めて楽しむ人々の国です。

芸術的色彩を強くにじませ、この国での修行を極めることができれば、植物写真家などと呼ばれたりするなど、相当高いステージに上ることも可能なようです。

A本・文献王国
山野草をはじめとする植物の図鑑、専門書などをひたすら集めまくる人々が集う国で、症状が進行すると国内外の古文書や豪華本に手を出したりするそうです。

(3)山菜・薬草連合王国
野山を歩き回り、山菜や薬草として採集して歩く人々が住人です。

山林などの持ち主に断りなく盗み歩く森林窃盗罪常習犯や、食用とよく似た毒草を山菜と信じ込んで食べる自殺志願者が多いのが最大の特徴とされており、他の国々から圧力を受けることもあるようです。

(4)植物学国
植物学的興味にとりつかれ、形態分類学、生態学など深い領域に落ち込んで出られない人々が住人です。
これらの人々の多くは博物館や植物園に出没するようです。

(5)環境保全共和国
ひたすらに自然保護、環境保全を追い求める人々の国です。
多くの地方に様々な小国があるようです。

4 人の輪が大切
山野草の世界に飛び込むために、この世界の住人となるには何の制限もありません。

しかし、できることなら山野草の愛好会に入会し、人の輪を広げ、進んで教えを乞うことをおすすめします。
友人ができれば、数多くの山野草の栽培方法を教えてもらったり、増殖した余剰苗を譲り受けたりすることもできるでしょう。

5 おわりに
まず敵を知ることが大事です。とにかく参考書を見てみましょう。
多くの入門書や専門の月刊誌が出版されておりますし、写真集も見受けられます。

各地の展示会にも足を運んで実物をよく鑑賞してみましょう。
そして攻略する方法を考えてみて下さい。