<<フラボンの山野草質問箱>> 回答欄:サギソウ質問1:
サギソウ Habenaria radiata (Thunb.) Spreng. の開花について 1998年8月31日受付
3月に水苔、平鉢に植えつけたサギ草球根がまだ3割しか開花しておらず、日なたに置いてありますが残りは花茎の形成がまだです。
気長にまてばいいのでしょうか?
月に2、3回1000倍液肥を与えるのもやり過ぎだったのかも。
またこれに限らず水苔栽培をすると小バエが集まるようですが、そのようなものでしょうか....
回答1:
サギソウは年に1回しか咲かない野生ランです。
原産地が国内のどこかによって 早咲きになったり遅咲きになったりしますが、この時期に花茎の伸長が見られなければ開花しないと思います。
これは、球根が小さくて開花能力がなかったか、大きさは十分でも花芽が途中でしけたためと思われます。

肥料はやらなくても大丈夫です。やりすぎると翌年の花付きが良すぎて風情がなくなってしまいます。
また、水苔の表面が変質して濃緑色のノリ状になり小バエ?なども集まりやすくなるようです。
肥料をやりすぎると、根が腐ったりして弱り、逆に新球の付きが悪くなったり、充実しなくなる場合もあります。


最近では水苔植えよりも砂植えが主流となりつつあります。
水苔植えですと、植え替え時に球根を探して取り出すのがとても大変ですが、砂植えでは、ふるいにかけるだけで簡単に取り出せます。
ただし、砂植えでは水切れの心配がありますので、用土に水苔の粉を混ぜたりして作るとよいでしょう。


サギソウのような野生ランは根が命です。
野山では誰も肥料をあげませんよね。
根は大量の肥料を吸えるようにはできておりませんので肥料の心配は不要です。
サギソウは十分な水と強い太陽の光で育てましょう。


質問1−2:サギソウのつぼみが途中で枯れてうまく咲かない 1999年2月受付
サギソウを長年作っているのですが、花茎が出ても途中で枯れてしまいうまく咲きません。
どうしたらよいでしょうか?
かなり以前から栽培しており、日陰で管理しています。
回答1−2:1999年4月19日 UP

花茎が途中で枯れてしまう のは、いろいろな原因が考えられます。
この場合、 長年継続した栽培をしていることなどから、ウイルス病にかかってしまったのではないかと推測されます。


多くの植物はウイルス病に冒されると 葉が異常に変形したり、変な模様が出たり、株が萎縮するなど様々な症状を示します。
サギソウも例外ではなく、花茎に寄生するアブラムシによってウイルスが媒介されることが知られています。

また、サギソウは全日照下での栽培が望ましいのですが、日陰で栽培しているとのことですから、体力が落ちて症状が出やすくなっていることも考えられます。


ウイルス病にかかっている場合でも、ウイルスの種類や系統によっては症状が出にくかったりする場合もあります。
そこで、まず日なたに移し、秋まである程度の肥培を行い充実した球根を作ることをおすすめします。
落葉後 移植を行い、翌年は日なたで絶対に水切れさせないように栽培してみましょう。

運が良ければ、開花することでしょう。
もし、一般管理に手落ちがないのに、同様の症状が続く場合には、あきらめて捨てましょう。

症状が改善された場合でも、ウイルスを保毒している可能性が高いので、他に感染させることのないようにアブラムシの防除を行ってください。