<< フラボンの山野草質問箱>> 回答欄 

質問10:埼玉県平野部在住です。
先日、衝動買いでポット植えのエゾツツジ(Therorhodion camtschaticumを購入しました。

山野草は始めたばかりで、何も知りません。
今後どのように夏を越せばよいのか、また、冬越しのしかた、植え替えの際の用土、その時期など一年を通しての管理をお教え願えないでしょうか。

エゾツツジ Therorhodion camtschaticum (Pall.) Small ツツジ科(Ericaceae)に属し、埼玉県平野部での栽培は極めて困難な高山植物です。
本種は矮性で美しい花を咲かせるので、初心者の方は図鑑などを見て栽培したくなるようですが、関東以西では相当のベテランが手がけても栽培困難な植物で、夏越しは不可能に近いものと思われます。
関東では梅雨入り前までは栽培できますが、それ以後は悲惨な末路をたどることが多く、通常の条件下では手を出すべき植物ではありません。
仮に夏を越しても、じり貧状態となり、数年以内に消滅してしまいます。
さて、それでも栽培をしたいと思われる場合、次のような選択肢が考えられます。
1 5月中に東北・北海道の高緯度地域か標高の高い地域に引っ越す。
2 ラベルを墓標に見立て、毎日水をやる度に合掌する。
3 花が咲いているうちに押し花か標本にしてしまう(こりゃ 栽培じゃないね!!)。
4 栽培可能な地域に住んでいる花好きの友人がいたらプレゼントするふりをして、来年の開花前に取り返す(詐欺的か?)。
5 膨大な出費を覚悟して、温湿度の制御が可能な高山植物用の冷温室を作る。
あなたは どの選択肢を選びますか? ちょっと高い授業料となってしまいましたか?
今後は、衝動買いを控え自分の住む地域山野草の特性栽培環境技術などを考慮して購入する山野草の種類を決めましょう。 
<<山野草を販売する皆様へのお願い>> 販売する山野草は、その地域で一般的に栽培が可能なものとしていただきたいと思います。
東京近辺のホームセンターなどで、アツモリソウが売られていたりする光景をよく見かけますが、この地域では通常、栽培が不可能なものであることは明白です。
特に初心者の方は、植物の特性などを良く理解しないまま衝動買いに走りやすいので、挑発するような種類は販売すべきではないと考えます。
そこのあなた、あなたに言ってるんですよ!!
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