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<< フラボンの山野草質問箱>> 回答欄

質問11:
一昨年の秋、林縁で宝石のような実をいっぱいつけたヒヨドリジョウゴ(Solanum lyratum Thunb.)を見つけ、嬉しくなって実を数個だけ持ち帰りベランダの鉢に蒔いておきました。

翌春元気な芽が次々に出てきて夏が近づくにつれ白い小さな花が咲きました。
洗濯物があたって長く伸びた蔓性の枝が無残に折れたりしましたが何株かはそのまま元気に育ちました。

マンションの6階ですからあまりチョウが来たりすることはありませんが、それでもコアシナガバチらしいのが行動圏の通り道らしく、同一個体が日に数回立ち寄って花に頭をつっこんでるようでした。

さて、秋が来て、深まって、でも結局結実しませんでした。花のあとになにも残らなかったのです。
雌花雄花があるのでしょうか?花は咲いても実にならないということは 虫媒花ではないのでしょうか?

この仲間の最大の魅力は秋の実につきます。
結実しないからといって、嫌いになって育てないわけではないのですが、なぜ実がならないのか理由がわかりません。

1999年5月16日受付

回答11:
ヒヨドリジョウゴ
ナス科(Solanaceae)に属し、日本全土、朝鮮半島、中国、インドシナに広く分布する植物です。
本種は蔓性で夏に直径1pほどの白い花を咲かせ、秋には直径8o程度の赤い実を付ける初心者向きの野草です。

さて、花が咲いても結実しない場合、次のようなことが考えられます。

1 たまたま稔性のない個体であった(花粉ができなかったりする場合です)
2 肥料のやりすぎで栄養成長が過大となり、着果しなかった

3 開花期間中、湿度が高すぎて花粉が出なかったか、水がかかって死んだ
4 開花期前後、水切れ、異常低温、異常高温などの過大なストレスを受けた

5 花粉を媒介する昆虫が来なかったり、役立たずだった
6 日当たりが悪すぎて生育不良となった

それでは、どうしたら結実させられるでしょうか?
以下の点に心がけて管理してみてください。

よく日に当てること、肥料をやりすぎないこと、開花中は雨に当てないこと、よく晴れた日に花を小刻みに振動(おまじない?)させてあげること

等を心がけてみてください。秋には実が付くと思うのですが......