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質問18:ギョウジャニンニクの栽培と種子の販売の可能性について 1999年9月27日受付


ギョウジャニンニクAllium victorialis var. platyphyllum)はユリ科ネギ属に属する多年性草本で、北海道と本州の近畿以北の夏期に冷涼な深山に自生しています。
本種は山菜として知られ、時に市販されています。しかし、繁殖力が弱く、年々自生数が減少しているようです。
最近では栽培品が出回るようになってきており、今後はこれが主力になっていくと思われます。
なお、苗の入手は一部の種苗業者のカタログに記載があるため可能です。 種子の販売についてですが、以下の条件を満たせば可能と思われます
1 採種が可能なだけの十分な栽培技術と経験を身につけていること
2 形質の良好な株を相当数確保し、かつ維持・増殖できること
3 安定した採種に必要な雨除け施設などを設置できること
4 一般にネギ属の種子は発芽力の低下が早いので、短期間で販売できるだけの需要と販売網があること (採種は7月、播種は7月〜9月上旬 9月中旬以後は発芽が極端に悪くなる)
5 これだけの投資をしても破綻しないだけの資金的な余力と自信があること また、苗生産については以下の点に留意してください。 1 種子を播いてから収穫(葉長20p)までの期間は5年間以上かかる 2 播種は7月に採取した種子を直ちに箱播きし、翌年の10月に葉が枯れたら露地圃場に定植する:3年後に収穫可能となる
3 定植時に根が傷むと生育が悪くなるので充分注意する 4 標高800m以下では6月〜9月に遮光する必要がある。
5 施肥は萌芽前に化成肥料をチッ素成分で10kg/10a程度施用する