<<フラボンの山野草質問箱>>

質問34-2:クマガイソウの栽培法  

回答:
クマガイソウ Cypripedium japonicum は沖縄以外の日本全土に分布する野生ランです。
千葉県下では手入れの行き届いた竹林や杉林などで自生が見られます。

クマガイソウは毎年長い地下茎を伸ばしてその先端に次年の花芽を形成する性質があり、鉢栽培ではこの性質が仇をなしてうまく栽培することができません。

また、クマガイソウの種子繁殖は人為的な方法では極めて困難な状態であり、流通しているすべての苗は山取り株かそれを株分けしたものです。

仮に自然状態で発芽に成功したとしても地上に展葉するまでに数年を要し、その後開花に至るまでには10年近くかかるものと思われます。

このような事実から、フラボンはクマガイソウを鉢栽培不可能なものとさせていただきます。
宅地開発などで絶滅に瀕する自生地などもあろうかと思われます。

このような株を緊急避難的に地植えする場合は、杉林や明るい竹林内に植え付けてください。
条件がよければ毎年2〜3倍に増殖します。

フラボンは一般の方がクマガイソウを鉢栽培することに反対します。
また、クマガイソウの市場流通も賛成できません。

みなさまのお考えはいかに?