<<フラボンの山野草質問箱>> 回答欄

質問4:翁草(オキナグサ)の栽培法について オキナグサ(Pulsatilla cernua) キンポウゲ科に属する比較的栽培しやすい山野草です。

もともとは本州、四国、九州の山野に自生するものですが、環境破壊が進んだ今日、その姿を消してしまった地域が多くあります。


日本には近縁種にツクモグサ(Pulsatilla nipponica)がありますが、これは栽培が困難(関東以南では)です。
国外には多くの種類がありますが、特にPulsatilla vulgaris(プルサティラ・ブルガリス)は強健でつくりやすいものです。

オキナグサの根は、自然状態では大きなゴボウ根となるため、小さな鉢で栽培することは困難です。
従って少なくとも5号鉢以上の大きめの深鉢か庭植えで栽培することをおすすめします。

培養土は火山性の砂礫を主体とし、フラボンの場合桐生砂、軽石砂、富士砂、赤玉土などを2種類以上混用して用います。

植え替えは毎年春の開花後か秋の彼岸頃に行います。
その際、図太い根を傷つけないように注意し、細根を指でかき落としてから全く新しい用土に植え付けます。

植え替え後は直ちに たっぷり(鉢底から水が溢れ出るように)かん水してください。
栽培管理する場所は、自生地のように日当たり、風通しがよく、真夏は半日陰となるような場所がよいでしょう。

かん水は春から秋まで1日1回としますが、夏場よく乾くようなら回数を増やします。
オキナグサは肥料を好むようで、春と秋に置肥や液費を与えましょう。

オキナグサは
実生(種子繁殖)により簡単に増殖できます。
花後、美しい果実の姿を楽しんだら、
種子が飛び散る前に採種して採り播きします。

種子には長い付属物が着いておりますが、じゃまになるようならこれを折り取ってもかまいません。
播種用土は親株と同一でよいでしょう。

播種後は少々覆土して乾燥させないように管理しますと、2週間位で発芽してきます。
発芽後、成長してきたら植え替えをしましょう。

その際、直根を切りつめると根が細かくなり扱いやすくなります。
適切な肥培管理を行えば
2〜3年で開花します。