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質問5:ヒマラヤの青いケシ の栽培方法について教えてください。

回答5: いわゆる ヒマラヤの青いケシは日本に自生するリシリヒナゲシ Papaver fauriei などと異なり、同じケシ科 Papaveraceae ではありますが、メコノプシス属 Meconopsis に属する難物中の難物です。

青いケシには以下のような種類があります。

Botanical name 学名
分  布
花色など
Meconopsis aculeata
ヒマラヤ西部
赤色など他の花色もあり
Meconopsis betonicifolia
チベット、雲南
きれいな青色 垂涎の的
Meconopsis delavayi
雲南
少し異なる青色
Meconopsis discigera
 ネパール、チベット  
赤色など他の花色もあり
Meconopsis grandis
 ネパール、チベット  
深い青色 垂涎の的
Meconopsis horridula 赤色など他の花色もあり
Meconopsis quintuplinervia ラベンダーブルー
Meconopsis simplicifolia 紫色っぽいものもある

このほかにも交配種を含めて何種類かありますが省略します。
この仲間は一般に高温に弱く生理障害を起こして生育が停滞したり枯死したりするため、平地での栽培は極めて困難です。

幼苗時の発芽後3葉位までは35度でも生存しますが、それ以後は25度を越えると暑がって体力を消耗し、夜温が下がらなくなると...根から腐ってきます(5月中旬以後)

この仲間は1年目には開花せず翌年以降開花します。
そのため、花を見る以前に いっぱいあったポットが全滅....ということになります。

それでも栽培したい場合は次の方法を試みてみましょう。
まず冬に播種(ビニールハウスなどの中 常時腰水:お水大好き)してみましょう。

発芽後高温期になる前にできるだけ大きくしようというわけです。

そして5月中旬以後は 

1:冷室(最高温度25度以下)に入れる
2:高冷地の別荘に移動する。
3:指をくわえて お経を唱える。

などの対処法があります。

それ以外に可能性があるのは

1:井戸水を利用した冷却法を考える。特に地下部を25度以下に保てるようにする。
たとえば、発泡スチロールなどの断熱容器に地下水(熱帯魚?の冷却装置も市販 されています)を流し、そこに鉢を収めて扇風機で風を送る。

2:冷風扇を設置(プロ用は大がかりで高値)する。これは水の蒸散熱を利用した冷却法です。
寒冷紗の筒を作り、上から水をたらしてその中に風を送って冷風をつくったり....。

このようにして奇跡的?に生き残った株は10月中旬以後 屋外に出して管理します。
よく日に当て 水は絶対に切らしては行けません雨も当てないようにしましょう。

3月中旬まで屋外で管理(真冬に葉は枯れます)し、それ以後はフレームやビニールハウスに移してください。
15度以上で管理すると芽が動き出してきます。

そしてまた 5月中旬までの勝負となります。

なお、この仲間は移植が嫌いです。播種後ごく小さい時期に1本ずつポットに鉢上げしましょう。
そして、大きくなってきたら 根をいじらないようにして大きな鉢に移しましょう。

みなさん いかがですか? なんとかできる気がしてきましたか?
四国(今治市)で咲かせている方もおりますので チャレンジしてみてくださいませ。