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質問50:
ヤマシャクヤクの栽培法について教えてください。 2000年11月 受付

ヤマシャクヤク Paeonia japonica は関東以西の本州、四国、九州、朝鮮半島に分布するキンポウゲ科多年草で、4月〜5月に白色の大輪花を開きます。

また、淡紅色の花を咲かせるベニバナヤマシャクヤク Paeonia obovata が北海道、本州、四国、九州、樺太、朝鮮半島、中国に分布しています。

その他、50種ほどが北半球を中心に分布しています。
本種は耐寒性があります。

栽培の具体的な方法は以下のとおりです。
1 基本的な性質
 ヤマシャクヤクは樹林下に自生する植物で、直射日光を嫌う性質があります。

2 鉢栽培のコツ
 基本的には大きめの深鉢に植えつけます。植付け・植えかえは9月中旬〜10月におこないます。
 用土は水持ちと排水性を併せ持つ桐生砂や軽石砂を中心に、有機質素材を2割程度混合した肥沃なものがよいでしょう。

 かん水は絶対に水切れさせないように行い、落葉期も注意が必要です。
 置き場所は通年半日陰でよいでしょう。花後と秋に置肥で肥培しましょう。

3 病害虫
 通常激しい被害をもたらす病害虫は発生しません。

4 増殖
 株分けと実生で増殖します。
 実生は取り播きがよいでしょう。秋に果実が開き大きな種子が出てきますので取り播きにします。

 発芽まで2〜3年かかることを覚悟して管理すると忘れた頃に発芽してきます。
 発芽後は薄い液肥をたびたび与えて肥培に努めましょう。

 開花まで数年かかりますが、毎年播種し続けると、数年後からは年々多くの花を見ることができるようになります。