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質問55:セッコクの栽培法について教えてください。 2001年1月22日、3月8日受付

セッコク Dendrobium moniliforme は岩手県以南の本州、四国、九州、朝鮮半島、中国の森林内の樹上や岸壁に着生するラン科多年草で、5月〜6月に白色〜淡紅色の花を茎上に咲かせます。

古くから「長生蘭」や「長生草」として栽培され、古典園芸植物の一角を占めています。
栽培の具体的な方法は以下のとおりです。

1 基本的な性質
 セッコクは着生植物で根部の停滞水を嫌い空気を好みます。

 2 鉢栽培のコツ
 基本的には通気性のある素焼き鉢、ヘゴ板、草玉などに植え込み・着生させます。

 鉢植えの場合、2〜3年に一度春か秋の彼岸頃に植え替えます。
 ヘゴ付けなどの場合は植え替えません。鉢植えの用土はミズゴケ単用とします。

 かん水は絶対に長時間多湿の状態にしないように行います。
 庭木に着生させたものなどは、完全に活着してしまえば灌水不要の場合もあります。

 置き場所は通年木陰や棚の上部に吊しておけばよいでしょう。半日陰でよいでしょう。
 鉢植えは花後と秋に置肥で肥培します。

3 病害虫
 通常激しい被害をもたらす病害虫は発生しません。
 ただし、ときには、長年庭木などに着生させているものが、ある年を境に急に弱ってしまうこともあります。

4 増殖
 株分け、矢伏せ、実生で増殖します。

 矢伏せは花後に古茎を切り取ってミズゴケに伏せて行います。
 実生は通常フラスコ内などで無菌培養をしますが、作場周辺に吊してあるヘゴ板や草玉に自然実生が生ずることも珍しくありません。