<<フラボンの山野草質問箱>> 回答欄

質問56:フユノハナワラビの栽培法について教えてください。 2001年3月11日受付

フユノハナワラビ Botrychium ternatum は本州、四国、九州、台湾、中国、ヒマラヤに分布するハナヤスリ科多年性シダ植物で、秋から冬にかけて本葉の基部から出た胞子葉を直立させます。

4月〜8月は休眠して地上部が枯れます。

栽培の具体的な方法は以下のとおりです。

1 基本的な性質
 フユノハナワラビは強風や直射光を嫌います。

2 鉢栽培のコツ
 基本的には大きめの中深鉢に、桐生砂などの一般的な野草の用土で植えつけます。

 植付け・植えかえは7月下旬の休眠期におこないます。
 用土は水持ちと排水性を併せ持つ桐生砂や軽石砂を中心に、有機質素材を2割程度混合した肥沃なものがよいでしょう。
 
 かん水は絶対に水切れさせないように行いますが過湿も禁物です。落葉期も注意が必要です。
 置き場所は通年半日陰でよいでしょう。秋の展葉から休眠するまで薄い液肥で肥培しましょう。
 
 フユノハナワラビの胞子葉は展葉の2年前に準備されます。
 従って栽培方法が悪いと2年後に胞子葉が立たないという結果が現れることになります。
 逆に言えば、一度作落ちさせると復活は2年越しということになります。

3 病害虫
 通常激しい被害をもたらす病害虫は発生しません。