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質問65:アッツザクラの栽培法について教えてください。


アッツザクラ Rhodohypoxis baurii は南アフリカのドラケンスバーグ(ドラケンスベルク)山脈に分布するキンバイザサ科 (Hypoxidaceae) の多年性球根植物です。


4月〜6月にかけて紅色、桃色、白色などの花を開きます。
国内には鈴木吉五郎が1935年にイギリスから導入し、以後東京山草会などの山野草愛好家の間で栽培され続けています。

現在では様々な品種がイギリスや国内で育種されており、園芸化されています。
栽培の具体的な方法は以下のとおりです。

1 基本的な性質
 アッツザクラは春から秋にかけて生育し、冬は休眠する小球根植物です。
 1球から10枚以上の葉を伸ばし数本の花茎を立てます。

2 栽  培
 栽培は容易で山野草の入門種としてお奨めできます。
 春の芽出し前に、水はけの良い軽めの用土に植え付けます。

 4号前後の中深鉢か浅鉢に2〜3球植えれば十分で、プランターや庭植などに群植しても良いでしょう。
 植え付け後は十分灌水して日当たりの良い場所で管理しますが、夏は半日陰に移します。
 
 秋に葉が黄変するまでは水切厳禁です。
 葉が黄変したら水やりを中止して凍らない場所で越冬させます。

 暖房のない北側の部屋や、玄関先など温度変化の少ない場所がよいでしょう。
 暖かい場所で過保護にすると、春に芽が伸びてこなかったりして異常な生育をします。
 
 アッツザクラは増殖力が強く、1年で1球が10〜20球程度になってしまいます。
 そのため、毎年春に植え替えしなくてはいけません。植え替えを怠ると作落ちしてしまいます。

3 その他
 実生増殖が可能です。
 八重咲き、絞り咲き、変色系、咲き分けなどもあります。