<< フラボンの山野草質問箱 >> 回答欄

質問2野生ランなどで話題のダンボール栽培について教えてください

趣味の山野草」に小田倉氏の連載があり、ひんぱんにダンボール栽培がでてきます。

私は野生ランの栽培については、かなり以前にあきらめ、当初あまり関心はなかったのですが、イワシャジンとかラン以外にも、という話題になると、興味がわいてきました。

1 ダンボール栽培に関する記事は、東京山草会の会誌に紹介されているのでしょうか?
  また、会誌は会員以外にも(バックナンバーも含め)購入可能なのでしょうか?

2 ダンボールの使用方法ですが、今月号のサギソウについても、鉢の底の方にグルリ一周という説明図があるんですが、シャジンなども同様なのでしょうか?

いずれにしましても、来春から高山植物など、いろいろなものに、いろんな方法で試して みようと思っています。

回答2:ダンボール栽培について
ダンボール栽培に関する記事は、東京山草会 ラン・ユリ部会ニュース「らん・ゆり」によく掲載されています。
特に1998年6月号は通巻250号記念「ダンボール播き」特集です。
現状では、ラン科植物での試行錯誤が続いているところですが、ウチョウラン等のチドリ類ではほぼ確立した簡易な実生増殖技術となっています。
また、瀕死の状態になりかけたランが、ダンボール栽培をすることにより劇的な回復を見せることがあるのは部会内部でよく知られた事実となっています。
「らん・ゆり」の入手方法

1 東京山草会本会ラン・ユリ部会に入会して月例会に出席するか郵送してもらうと確実です。

2 持っている人からコピーをもらう
  コピーは容認されています。バックナンバーはまず手に入りません。すぐなくなってしまいます。
 「らん・ゆり」
カラーページが多いので、カラーコピーでなければ意味がないかもしれません。

ダンボールの使用方法

1 鉢の内壁をダンボールで囲い、内部に砂やミズゴケなどを詰める。

2 ダンボールを1〜2p程度のチップ状に細断して用土に混ぜる(20%程度)
  ダンンボール単用では物理性が悪くなるので注意。

3 ダンボールを芯にした草玉状にして着生ランを育てる。

ダンボールの使用実例:石原欽也氏から以下の使用実例を提供していただきましたのでご紹介します。
●私はウチョウランの種まきで毎年実施しています。
方法を簡単に説明します。

 1.ダンボールを
1〜3p大に切ります。土は蘭用土です
 2.小指大の土と混ぜるか、その土の上に適当に置きます


 3.その土の上により小さい土をふるいで粉状にしたミズゴケと混ぜて置きます
 4.その上に、みじん状の土と、ウチョウランの種を混ぜて均一に鉢全面に播きます

 5.鉢の内周りには前もってダンボールを、立てておきます
 6.
鉢の真中に鉢より数センチ高めに細い箸などを立てます 

 7.
鉢の上からビニール、またはラップをかけ紐などで締めます
 8.鉢を水受けに置きそこに水を注ぎます


 9.水は下からしみとおります 絶対上からかけません

 10.また水は、まえもってダンボールを浸しておき、エキスの出た水を、使います

 11.雨のあたらない、凍らないところにおけば、ちゃんとした種であれば、春には、芝生のように芽が出てきます

  一度おためしを 
2月頃が最適の時期です。
なお、月刊誌「自然と野生蘭」にも実例が紹介されておりますので参考にしてください。
<<ラン科植物以外への応用>>
現在、双子葉植物栽培への応用がラン・ユリ部会員の一部で試みられつつあります。
ラン・ユリ部会のM氏によれば、作落ちしてほとんど根がなくなったコマウスユキソウをダンボール混用の用土で栽培したところ復活したとのことです。
また、K氏はシャジン類ほか高山植物などの植え替え時(9月)にダンボール混合培用土を使用しているとのことです。
ラン科植物以外では今のところ手探り状態、再現性のある確実な報告はまだないようです。
しかし、相当数の方々が山野草栽培で試み始めており、結果が報告されてくるものと思われます。
したがって、こうしなければならない、といった栽培法はありません。
あなた自身のオリジナルな栽培法を試みてください・・・・・無責任だったかな?